50代女性で自動二輪の免許を取りにいきます!  

50代(女)で自動二輪の免許に挑戦しました。思っていた以上の苦労です。

補習

不合格であることはわかっているのに、合否の発表まで1時間半くらい待ちました。


どしゃ降りの中の卒検は全員不合格でした。
この冬は晴れの日が多く、長く教習所に通っている私をしても全員が「(こんな)雨になったのは初めて」と言っていました。



検定員の先生より結果とアドバイスがありました。
「春さんは、今日のことを是非とも糧にしていただきたい。これが公道だったら事故になっていました。」


本当にそうです。
私は右に倒れたので、すぐ後から車がきていたら轢かれていました。


検定員:「今日このような形で転倒したのはよかったと思います。」





検定員の先生のアドバイスを聞きながら、私は小学校のときの算数の時間のことを思い出していました。
3人の生徒が前にでて黒板に書かれた問題を解く、というものでした。
2人は正解をしたのにN君はミスをしてクラス全員の前で間違えてしまいました。
自分だけ不正解となってしまいN君はとても恥ずかしそうでした。
すると先生が「N君はとても幸運です。」と話し始めました。
「ここで間違えることなど問題ではない。むしろこういう形で間違えてしまったので決してN君は忘れないでしょう。N君はこれでしっかり覚えました。もう間違えることはありません。」


この時私は心からN君をうらやましいと思ったのを覚えています。
40年以上たった今でもしつこく覚えているほど他人の失敗をうらやましいと感じました。
人前で恥ずかしい思いをするのは辛いけど、でも、これでもう間違えないならこんな素敵な話はないと思いました。





大きな事故にならないように注意深くすごしていくのが理想ですが、
どうしても失敗しないと気がつかないというのも真理です。


とりかえしのつく失敗をしながらとりかえしのつかない大きな失敗を防いでいく。


私はこの先今日のようなケースに公道で出逢うようなことがあっても対処できる。大丈夫。
きょうの不合格をポジティブに考えるとこういうことかと思うことにしました。




不合格は私の気持ちに火をつけました。
教室を一番に飛び出ると、補習のキャンセル待ちリストに自分の番号を記入しました。
私の他に今日この雨の中で補習をしたいと思った人がいるかどうかはわかりませんでしたが、とにかく一番に名前を書かねばと教室を走りでました。


丁度教習が始まったところで、次のキャンセル待ちの発表まで50分待ちました。
残念ながら次の回にキャンセルはなし。
『雨なのにみなさん頑張るなぁ』
更にここから1時間待ち。次の回にキャンセルがでなかったら今日は帰ろうと思っていましたがここに1席キャンセルがでて補習を受けることができるようになりました。



配車券を発券してもらい、急いでバイクブースへ向かいます。
雨なので、カッパを着たりと準備が多いので急ぎました。
それでなくても私は支度が遅いのです。
プロテクターをつけていると、先ほどの検定員の先生が通り
「乗れたんですね」
と声をかけてくれました。


担当の指導員:「雨の急制動でしたか」
私:「はい、こんなに乗ってるのにここまでの雨は初めてでした」


自分のグローブはびしょびしょになってしまったので、教習所の軍手を借りました。
私のペアは今日が1時限目か2時限目といった男性でした。


指導員:「春さんは急制動を中心にやってください」


先ほど派手に転倒した急制動をやるのは一瞬怖いな、と思いましたが、おちついてやればちゃんとできました。
5~6回練習して失敗なし。
『めったにないエンストもしたし、さっきはやっぱり頭が混乱していたのかも・・・。』


基本的に指導員の先生はペアの男性の指導が中心となり、私には急制動が充分と思ったら、自由走行で練習してよいとの指示になりました。



この時間、なぜかクランクが失敗ばかりとなり不安になりました。
クランクをもう1回やりたいと思ったのですが、時間切れ。


指導員:「どうでしたか?」
私:「急制動は感覚つかめました。でも、クランクが失敗ばかりで・・」
指導員:「手が動かなくてクラッチ上手くできないでしょ。私もそうです。(クランクは)仕方ないですよ」


気温6℃のどしゃ降りの雨に気がつけば軍手はびしょびしょで、必死だったのできがついていませんでしが、手袋をとると手が凍えきって指が上手くまがりませんでした。
カッパを脱ぐと左脚は穴があったのかびっしょり濡れてしまっていました。
おまけに、S字の出口が池になっていて、停止する度にちゃぷんとそこに足をつけていたので靴の中もびっしょりでした。


指導員:「次は晴れの日に検定うけてください」
私:「是非とも」



帰りに次の卒検の予約をとりました。


予定外に帰宅が遅くなってしまい、お母さんは猛ダッシュで夕食の支度です。
全てがひと段落すると、今まで気がつかなかった体の痛みを感じました。
打ち身もあるでしょうし、転倒による筋肉痛かも。
(いや、筋肉痛は早くても明日以降でした)
でも、とりあえず今日補習できてよかった。